南村杞憂 ローカルディスク(D:)

南村杞憂

ローカルディスク(D:)

2025.6.7 (土) – 6.28 (土) / 水 – 日曜日 13:00 – 18:00

ギャラリープロジェクトDJURGARDENは、2025年6月7日(土)より、南村杞憂「ローカルディスク(D:)」を開催します。

◎会期 2025年6月7日(土) - 6月28 日(土)

◎開場 水 - 日曜日 13 時 - 18 時

◎会場 DJURGARDEN(都営大江戸線・都営新宿線 森下駅 徒歩5 分/ chigaya morishita 3 階)

南村杞憂

1995 年生まれ。 徳島県出身、関西在住。 関西学院大学文学部哲学倫理学専修卒業、神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程前期課程修了。 独学でデジタルファブリケーションの手法を駆使し、インターネットカルチャーや SNS 等をテーマに日々けったいなものを制作しています。 制作以外にもラジオMCなども務め、神戸のコミュニティFM「FM MOOV」にて毎週水曜18:35~18:45放送中の ラジオ番組「世界の音楽」でアシスタントパーソナリティーとして出演。 Podcast番組「もしもし真夜中同窓会」にパーソナリティーとして出演中。(Spotify、Apple Podcast、Amazon musicにて配信中)

受賞歴

2021「ミス iD2021」Edge! 賞

2023「メタセコイア・キョウマチボリ・アートフェア2023」徳光健治 賞/美術解説するぞー 鈴木博文 賞/Artist Cafe Fukuoka賞

2024「第9回 SHIBUYA ART AWARDS」入選

個展歴

2018 「シールドコイル観察日誌」ギニョール(大阪)

2019 「ERROR302」前衛喫茶マチモ(東京)

2020 「インターネット葬」アトリエ三月(大阪)

2021 「42回全国オンライン乱痴気外来爆破ツアー」cafeAnamune(大阪)

2022 「自発的対称性びりびり」前衛喫茶マチモ(東京)

2023.01 「インターネット葬2.0」アトリエ三月(大阪)

2023.03 「NugdeNudge」iiie

2023.09 「インターネット・キッチュ」新宿眼科画廊(東京)

2023.12 「ちくわ大明神」LAUGH & PEACE ARTGALLERY OSAKA(大阪)

2024.02 「kiyunamura_ngy.zip」24PILLARS(名古屋)

2024.04 「kiyunamura_osk.zip」cafe Anamune(大阪)

2024.08 「kiyunamura_tksm.zip」藤本生花店(徳島)

2024.11 「kiyunamura_kyt.zip」7gallert(京都)

2025.02 「kiyunamura_fuk.zip」Artist Cafe Fukuoka(福岡)

その他の主な出展歴

2024.01「OSAKA ART MARKET」グランフロント大阪(大阪)

2024.04「KOBE ART MARCHÉ 2024」神戸メリケンパークオリエンタルホテル(神戸)

2024.04「tagboat Art Fair 2024」(東京)

2024.09「AFAF2024」(福岡)

2024.11 ザ・プラン9presents「ザ・画廊9」LAUGH & PEACE ART GALLERY OSAKA(大阪)

2025.04「tagboat Art Fair 2025」(東京)

メディア掲載

2021.04 徳島新聞にてインタビュー記事掲載

2021.11 『やさしいニュース』YouTube番組にて特集(テレビ大阪)

2023.04 メンズファッション誌『FINEBOYS』2023年5月号にてグッズ掲載(日之出出版)2023.02 バラエティ番組『DEEPな店の常連さんに密着 イキスギさんについてった』出演(TBSテレビ)

2024.09 徳島新聞にて記事掲載

イベント出演

2021.03 「映画『バッファロー’66』公開記念/男の視点・女の視点で作品を読み解くオンライントーク」元町映画館(神戸)

2021.04 「【自由履修科目】南村杞憂概論(単位数2.0)」Loft PlusOne West(大阪)

2021.11 「しとちゃんきゆちゃんごきげんトーク」Loft PlusOne West(大阪)

2022.02  Y-PU大学主催講義イベント「第二回【つくる自分のつくりかた】コンセプトづくり」ゲスト講師出演(大阪)

2022.12 「南村杞憂トークイベント(仮)」梅田Lateral(大阪)

2023.08 「Co-create! Another Campus in YOKOHAMA~ネイキッドロフトをもうひとつのキャンパスにする実験集会~」NakedLoft Yokohama(横浜)

南村杞憂(ナムラ キユウ)と申します。

インターネットミームやネット上で瞬間的に流行るトレンドなど主にインターネットやSNSを巡る事柄を制作テーマにしています。

私はWindows95がリリースされたのと同じ1995年生まれで、幼い頃からInternet Explorerを使い、ダイヤルアップ接続の音に親しみ、 ポストペットが毎日の遊び相手という子供でした。「95 年生まれインターネット育ち、ポストペットはだいたい友達」です。 小学生になって BBS やブログカルチャーが流行るにつれて「インターネットにアップしたものは宇宙のどこかに半永久的に残り続ける」 「だからネットは怖い」という大人からの牽制をよく耳にしていました。

ところが、近年の各種ネットサービス終了に際して、もう見られなくなったネット上のサイトやサービスがどれほどあったでしょうか。

NAVERまとめ、Adobe Flash、Yahoo!ブログ、Internet Explorerのサポート終了、そして直近ではTwitterもサービス名とロゴを変更されることとなり、

慣れ親しんだその名前と青い鳥に突如別れを告げることになりました。

なんて刹那的なインターネット。

1000年前の枕草子は読めても、たった15年前のブログはほんの一瞬世にはばかってそれっきり、もうおそらく永久に読めないのです。

もはやインフラと化している Twitter も Instagram も YouTube も、

例えばですが、経営者の気まぐれでうっかりいつでも何かの拍子に永久に失われ得る、なんてことを特にユーザーは基本的に想定していません。 ( ツイッターユーザーにとってはこの意識は全然揺らいでると思いますが) それゆえ、アナログに文書化されたり意識してなんらかの形で保存されたりしない デジタル・ヴァナキュラー(民俗学的な表現で、デジタル空間で自然発生し、市井の人々の生活に深く関連した、権威を持たない土着文化の意)なカルチャーは来るべきインターネット及びそのサービスの消滅と共にこの世から失われてしまう可能性が高いと言えるでしょう。

ところで、Twitter(これからは X と呼ぶべきかもしれないですが以下ではわかりやすくTwitter ならびにそれに準ずる呼称で書きます) では「バズ」を想定してウケる作品作りをするカルチャーがあります。 トレンド入りしている時事トピックに敏感に反応し話題にちなんだ作品を素早く仕上げてくる人、ツッコミどころのあるトンチキな発明品を作る人、任意の事柄について大喜利のようになんらかの作品を作る人。 なんせタイムラインをスワイプして一瞥する瞬間にすげえとか面白いとか思わせて「いいね」や「リツイート ( 投稿の拡散、現在はリポストと呼び替えられています )」をしたくなるようなものを作り、

それを SNS 上で発表している “おもしろい Twitter の人” として “おもしろツイート” をして活動しているような層が確かに存在します。

「インターネット芸人」なんて表現もありますが、それのものづくり版みたいなイメージです。

私もおそらくどちらかといえばこの流れの中で作品作りをしている作り手の一人だと自認しています。 今のところ私はこれを「ネット ( 特に SNS) 土着のフォークアートみたいなもん」だと解釈しています。 “みたいなもん” というのはなぜかというと、確かにSNS 上にはこの潮流があるにも関わらず、まだアートの世界から発見されていないからか、 名付けがされていない創作物ないし創作行為だからです。

今のところ平たく言って「SNS でバズるものづくり」は「キッチュ」でアートたり得ないとされています。 ただ、このあながち時代性に沿ってないとも言えない「バズり」が流行る背景には昨今のコンテンツ消費の様相、 また可処分所得と可処分時間の少なさが関わっていると感じています。 消費すべきコンテンツは膨大な量になりつつあり、同時に 1つのコンテンツに割く時間はどんどん短くならざるを得なくなり、 あと全体的に ( 若い層は特に ) 貧しくなってるのもおそらく大きく関わっていて、生活の娯楽の主流は漫然とタイムラインを スワイプし続けたりショート動画を見続けたりすることで得られる弱い刺激をファストフードの如く消費するような カルチャーと言っても過言ではなさそうです。

こういった風潮の上でなされる作品制作に対して「アート制作はバズ目当てにされるべきものではない」「邪な動機だ」と思う人もいるかと存じます。 ただ、このような「インターネット時代のキッチュな作品制作」をする作り手人口が少なからず存在することは確かで、この「俗悪」はいずれ、今の時代の、殊にSNS を巡る代表的な作品作り=アートとして捉えざるを得ない時代が遅からず到来する予感がしています。

というわけで私はこういった考えを巡らせた結果、インターネットミームをネオン風ライトにしたり、 SNS上でのヴァナキュラーな営みに参加したりして、親の顔より見たインターネットをテーマに、 いつか永久に失われ得るかもしれないネットのかけらをリアル空間に持ち出してはアーカイブとして形にしています。

-作者ステートメントより

南村杞憂は、インターネットミームなどをモチーフにした作品を制作しています。

リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」によると、「ミーム」は文化的伝達の単位であり、 遺伝子のように、自己複製を繰り返していく性質を持つ という説明があります。利益を享受するのは生物ではなく、あくまで遺伝子であり、全体としての種の利益を追及するということかなと思います。

ミームは遺伝子のようにコピーを繰り返し、人々の記憶に留まる現象です。 インターネットミームは拡散の過程で皮肉やユーザーによる改変が加えられ、発展してゆくことが特色とされます。

そんな中で、インターネットミームをアート作品のモチーフとして扱う南村杞憂は、不可能の証明をしようとしているように見えます。 不可能の証明は、解くことは不可能、という一応の落としどころが見つかりましたが、「未解決の探求」というロマンチズムが人々の興味を 引き付けるように、南村杞憂の作品にも、秘密の共有というロマンティックなムードがその魅力を演出しています。

-企画 清水美樹

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